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インタビュー取材記事では、ほとんどの場合、取材風景を写真撮影してデザインの中に組み入れます。写真撮影は、インタビュー形式、対談形式など、記事の形式を問わず不可欠のものといっても良いでしょう。
そこで今回は、インタビュー取材時の写真撮影のポイントを解説します。
インタビュー記事に写真掲載が不可欠な理由
普段、読者の立場で商業媒体のインタビュー記事を見る機会が多いという人もいらっしゃると思います。
その時のことを思い出してみてください。
多くの記事で、インタビューされている人の写真をはじめ、インタビュー場所(オフィス内や受付、きれいなカフェなど)、インタビューにまつわるグッズや商品といった具合に、文章だけでなく必ず写真も合わせて掲載されていたかと思います。それはなぜでしょうか?
さまざまな理由があって記事レイアウトはデザインされますが、写真掲載による一般的な効果をまとめると次のようになるでしょう。
- 文字だけでは読者に伝わらないモノを伝えられる
- 記事の信ぴょう性や信頼性を高めることができる
- 登場する人物の印象を読者の記憶に残すことができる
- デザイン上の視覚効果がある
1.文字だけでは読者に伝わらないモノを伝えられる
小説を例に挙げると分かりやすいのですが、私たちが物語を読む時、文字だけのストーリーを読み進めながら、頭の中で舞台となっているシーンを想像しています。
自分勝手なイメージなので、人によって思い描く情景はさまざまなのですが、それが小説の楽しみ方のひとつでもあります。
インタビュー記事でも同様に「インタビューの登場人物を想像してもらう」こともできますが、それでは作り手がインタビューで伝えたいことが正確に伝わりません。経営者インタビューやサービス導入事例のインタビューで「読者のご想像にお任せします」では話にならないのは明白です。
語り手の顔写真、インタビュー中の身振り手振り、出てきた話題に関連する物や人、場所など、文字を補完する写真を合わせて掲載することで、インタビューの内容がグッと具体的なイメージとなって読者に伝わるようになります。
2.記事の信ぴょう性や信頼性を高めることができる
ダイエットや美容広告、最近ではマッチングアプリの広告などで、体験談とともに顔写真が掲載されているのを目にしたことはありませんか?しかも、満面の笑顔で「幸せです!」という写真だったりします(笑)。
こうした体験談に写真を必ず組み合わせるのは「1」で触れたことと通じますが、その体験談が本当のことなのか、うそのことなのか、という印象にかかわるからです。
文字だけで「運命の恋人と出会えました!このアプリで」「1週間で5kgのダイエットに成功!このサプリを飲んで」とだけ記載がある場合と、商品や具体的な利用者の写真が載っているのとでは、読者が受ける印象がまったく異なります。
写真を掲載することで読者は、「実在の人物がこのように語っている」、「実際に現物がこのようにある」と自然と受け止めてくれて、記事の信ぴょう性や信頼性が高まるのです。
3.登場する人物の印象を読者の記憶に残すことができる
写真のあるインタビュー記事と、写真がないインタビュー記事とでは、記事を読んだ読者に与える印象が違います。例えば、インタビューされている人物の写真には、さまざまな撮影の仕方があり、その写真ひとつで記事の印象を演出することができるのです。
- 歯を見せて満面の笑みで、じっとこちらを見ている表情
- 腕組みをして、キリッと唇の両端を結んで虚空を見据えている表情
- いまにも動き出そうな、手振り身振りで誰かに熱っぽく語りかけている表情
言葉にすると長くなりますが、写真にはこれらの表情を一瞬にして読者へ届けることができる力があります。
4.デザイン上の視覚効果がある
文字と写真を記事のレイアウトとしてどのように組むのか、読者に飽きの気持ちを抱けせずに読み進んでもらうか、というデザイン上の視覚効果はとても大切なポイントです。
人間の視線には特定の“クセ”のようなものがあり、その目線を意識した定番のデザインの型があります。
Z型の目線の動き
人間の視線は左上から右下へ向かう、という心理を使ったレイアウトです。横組みの雑誌やムック、広告、ポスターなどでよく使われます。
F型の目線の動き
Webサイトで使われているレイアウトです。HTMLで組んでいるソースの規格仕様に依存していると言ってもいいでしょう。上から順番に目線がおりていき、途中、見出しや写真、図表が入ります。
N型の目線の動き
文字を縦書きで組んでいる小説などの書籍、雑誌で使われるレイアウトです。右上から下へ文字を組んで、左の行へ移動していく導線を作ります。
Webサイトへの掲載では「F型」のレイアウトとなるわけですが、さらに、ページのカラム数が1個か2個か、ナビゲーションは左右どちらにあるかといったパーツの要素によっても複雑なレイアウトを組むことになります。
インタビュー取材で写真を掲載する際は、こうしたWebページのレイアウトを意識した写真を撮影する必要があります。
デザインについてはプロのデザイナーへ依頼する、またはあらかじめWebページのレイアウトの仕様が決まっていることが多いので、取材前にWebデザイナーやWebコーダーなどに「このページへ掲載するインタビュー記事には、どんな写真を用意しておくとデザインしやすい?」、「どんな写真があると読者に読まれやすい?」と聞いておくのがおすすめです。
- メインのアイキャッチ画像の左側にサイトロゴが入るので、左側の空間をあけた写真が1枚欲しい。
- 話し手の目線が左側に向いている・右側に向いている写真が各1枚は欲しい。
- Webページの背景が白なので、白壁の背景は避けて欲しい。できれば左右どちらかに観葉植物など緑を入れて欲しい。
すべての希望を叶えた写真撮影ができるわけではありませんが、こんな具合にWebページにマッチした写真のイメージが事前に分かれば、インタビュー取材当日の撮影指示もスムーズに進むでしょう。
写真撮影の参考になるWebサイト
写真撮影はプロのカメラマンに任せるのが一番安心なのですが、時には自分で写真撮影をしなければならないこともあるでしょう。そんな時のために、普段から上手な写真撮影をするコツを勉強しておくと良いでしょう。
いくつか参考になるWebサイトをご紹介しておきます。
写真撮影入門(全12回)|Web担当者フォーラム
- https://webtan.impress.co.jp/l/11437
- インプレスが運営するWebサイト「Web担当者フォーラム」。企業サイトやWebマーケティング担当者向けに、最新情報や実践的なTips情報を配信しています。Webサイトに掲載する写真の撮影テクニックを解説しています。
人物を魅力的に撮影する!超簡単な6テクニック|プロが教えるデジカメ撮影テクニック|ASCII.jp
- https://ascii.jp/elem/000/000/530/530508/
- アスキーが運営するWebで仕事をする人のための情報サイト。コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)で人物を魅力的に撮るにはどうすればよいのか。プロカメラマンが解説しています。
WEBデザインで意識すべき視線の動き4点|Web担当者フォーラム
- https://webtan.impress.co.jp/u/2014/09/29/18337
- インプレスが運営するWebサイト「Web担当者フォーラム」。より効果的なレイアウトをするのための視線の動きについて解説しています。
デザインの基礎知識。チラシデザインはどうやって作れば良いの?|ラクスル
- https://raksul.com/magazine/column/150218-flyer/
- ネット印刷の会社「ラクスル」のWebサイト。Webサイト向けの情報ではありませんが、チラシ・冊子・パンフレット・DMを制作する時のノウハウをコラムで紹介していて、基礎知識として役立ちます。